「ゆっくり寝たはずなのに腰が痛くて休まった気がしない」
「せっかくの休みだからいっぱい寝たのに腰周りがだるい」
このような経験はありませんか?
やっとの思いで寝る時間を確保できたのに、寝すぎで腰が痛くなって休みも台無し・・・なんてことになりかねません。
どうして寝すぎると腰が痛くなるのか、その原因と対処法とともに、寝すぎないための方法もお伝えしていきます。
寝すぎと腰痛
寝すぎるとどうして腰が痛くなるのでしょうか。
人間が寝ている間は立っている時に比べて体重を全身で支えています。支えている部分を頭、肩、腰、足分けると腰に約40%もの負担がかかるようになっています。
また、寝ている間も筋肉には老廃物や乳酸がたまっていきます。老廃物や乳酸は筋肉の収縮によって追い出されていくのですが、同じ姿勢のまま筋肉に動きがないと乳酸が溜まって筋肉の緊張がおきます。
筋肉の緊張によって体の痛みを感じるわけなのです。
寝ている間の筋肉の収縮を促してくれるのが寝返りです。人は1日に20~30の寝返りを打つとされており、寝返りの回数が少ないと体に掛かる負担も大きくなりますし、筋肉の収縮が減って筋肉の緊張が増える結果、腰が痛むのです。
長時間寝ていると、腰に負担がかかっている時間が長くなります。また寝返りが打てないと同じ場所にかかる負担が増えて体がだるくなるのです。
自然な寝返りを打ちやすい環境を整えよう
では、寝返りを増やすにはどうしたらいいのでしょうか。
寝返りを左右するのは寝具です。寝返りを意識的にコントロールすることはできませんが、寝具を見直すことで、寝返りが打ちやすい環境を整えてあげましょう。
主に見直したい寝具は3つです。
- マットレス
- 枕
- パジャマ
この3点の見直しで自然な寝返りを打ちやすくしてくれます。
どうして寝すぎてしまうのか
寝ている間の体への負担を減らしたあとは、寝すぎてしまうあなたの体にアプローチしていきましょう。
毎日睡眠時間は確保しているのに、休みになったら寝すぎてしまうことについて触れていきたいと思います。
西野精治著 『スタンフォード式 最高の睡眠』を基に解説していきます。
睡眠負債はなかなか返済できない
最近目にすることも増えてきた「睡眠負債」という言葉。「睡眠時間が不足することによって、簡単には解決しない深刻なマイナス要因が積み重なっていく」と西野氏は綴っている。
睡眠負債が続くと、日中のパフォーマンスが落ちるだけでなく認知症のリスクが高まったり、太りやすくなってしまう。睡眠負債の一番恐ろしいところは、知らないうちに1~10秒ほど眠ってしまうマイクロスリープに陥ることである。
運転中や、大事な会議の場面でついうっかりマイクロスリープが発生したら…。考えただけでもぞっとしてしまうのではないだろうか。
睡眠負債の解消にはどのぐらいの時間がかかるのでしょうか。
健康な10人に「14時間無理やりベッドにいてもらう」実験を約1ヶ月行った。健康な10人の平均睡眠時間は7時間30分であった。最初の間は実験参加者も好きなだけ寝ていたため13~14時間の睡眠をとっていたが、次第に睡眠時間は減っていった。実験開始から約3週間後の平均睡眠時間は約8時間12分になった。
実験参加前の平均睡眠時間の7時間30分と、実験開始3週間後の平均睡眠時間8時間12分では約40分の差があることが分かる。つまり、健康な人でも普段から40分の睡眠負債を抱えていることになる。
睡眠負債を解消するために好きなだけ寝られる生活を送っても3週間はかかります。現代社会において3週間好きなだけ寝れる環境を用意するのは難しいので、睡眠負債の解消に睡眠の量で立ち向かうのは現実的ではないのです。
ショートスリーパーは遺伝
睡眠時間が短くても十分に活動できる人がたまにいます。俗に言う「ショートスリーパー」です。
人によっては活動できる時間が長いほうが嬉しいと思いますが、ショートスリーパーとして短い睡眠時間で活動できる人は限られています。
アメリカの短時間睡眠でも元気な親子を研究したところ、彼らの遺伝子にある生体リズムに関わる「時計遺伝子」に変異があることがわかりました。
ヒトでもマウスでも睡眠負債が続くと非常に深い眠りに落ちるのが普通です。
ところが、時計遺伝子に変異のあるマウスは眠らない状態が続いても深い睡眠に陥らなかったのです。よって、ショートスリーパーかどうかは遺伝によって決まります。
ショートスリーパーでない人は睡眠の質を上げると同時に最低でも6時間の睡眠時間は確保したいところです。無理をして短時間睡眠で過ごすよりも、睡眠の質と時間を取って寝すぎの日を作らないようにしましょう。
寝すぎで睡眠時間を無駄に増やさない方法
寝すぎで睡眠時間を無駄に増やして体に負担をかけないようにしましょう。寝る時間を増やすよりも睡眠の質を高めて睡眠負債からくる寝すぎを防ぎましょう!
睡眠の質をあげよう
睡眠の質は
最初の90分をしっかり眠ること
『スタンフォード式 最高の睡眠』では、入眠してからの最初の90分間が大切になってくると何度も書かれています。
聞いたことのある方も多いかと思いますが、睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が存在します。
ざっくり説明すると・・・
- レム睡眠・・・脳は起きていて体が寝ている状態
- ノンレム睡眠・・・脳も体も眠っている状態
をさします。睡眠時はノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しています。
眠りに入ったあとすぐに訪れるのはノンレム睡眠です。この一番最初のノンレム睡眠がもっとも睡眠の中で深く、その日の睡眠を決めるのです。
一番深いノンレム睡眠のあとはレム睡眠に入り、その後ノンレム睡眠、レム睡眠・・・と繰り返していきます。
明け方が近づくにつれてレム睡眠の時間が伸び、ノンレム睡眠の時間が短く浅くなっていきます。
入眠してから一番最初のノンレム睡眠が大事になるのです。
入眠しやすくするために
入眠しやすくするためには、体内深部の温度と手足の温度差が重要になってきます。
日中活動している間の深部体温は、内臓の動きを活発にさせるため手足の深部体温よりも高くなっています。
反対に寝ている時は内臓の動きを休めますので手足から熱を放出させて、深部体温を下げます。そうして深部体温と手足の温度を近づけていきます。
深部体温と手足の温度に2℃以上の差がある状態から深部体温が下がっていくのが大体90分です。
入浴後90分ほどで入眠できるように生活リズムを設計しましょう。
言い換えれば寝る90分前にはお風呂に入りましょうということですね。
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